落語に三題噺というのがあります。お客さんから三つの言葉をもらい、はなし家がその三つを含んだ落とし話を即興で作り上げる。大名人の三遊亭円朝は「酔漢」「財布」「芝浜」の三つから、名作『芝浜』を作りました。また「卵酒・鉄砲・毒消しの護符」から『鰍沢』を作ったといいます(こちらは河竹黙阿弥の作との説もあります)。
これにヒントを得て、ぼくは漢字一字を編集者に示してもらい、そこから発想を広げていく、という作業をやってみました。うまくいったのもありますし、初めは元気だったけれど途中で萎れてしまったものもあります。今回はうまくいったものを六つ並べて講座にしてみました。もし良かったら、本郷流「歴史漫談」、聞きにおいで下さい。さて、出来やいかに?
第一回 「編」国史編纂という伝統ほか
第二回 「食」実は粗食だった大名や貴族ほか
第三回 「武」武と文のバランス−近隣国の場合ほか
第四回 「王」大王から天皇になった大きな意味ほか
第五回 「笑」権力者を楽しませる人々ほか
第六回 「道」「剣術」と「剣道」はどちらが強いのか