連絡先
上智大学 学事局 Sophia Future Design Platform推進室 (プロフェッショナル・スタディーズ事務局) 〒102-8554 東京都千代田区紀尾井町7-1 四谷キャンパス1号館1階 TEL:03(3238)3552 FAX:03(3238)4310 現在、お電話のお問い合わせは受け付けておりません。下記メールアドレス宛にご連絡ください。 web_kookai-co(アットマーク)sophia.ac.jp

2124 2124 遠藤周作『沈黙』が描ききらなかったキリシタンの史実

曜日・時間 指定木曜日 19:00〜20:30
開催日 1/11から
回数 3回
講師 川村 信三
テキスト 講師よりプリント配布(無料)
備考 定員100名 受講申込み締切1月11日(木)まで 受講中の方のキャンセル受付1月11日(木)まで ※本講座は講座変更できません。
スケジュール スケジュールはこちら
受講料(税込)申し込み
8,100円 受付期間外です。
2124 2124 遠藤周作『沈黙』が描ききらなかったキリシタンの史実
【講師】 川村 信三 上智大学文学部史学科教授 専攻分野/キリシタン史、日欧交渉史、ヨーロッパ・キリスト教史 著作/『戦国宗教社会=思想史』単著/知泉書館2011年    『ヨーロッパ中近世の兄弟会』共著/東京大学出版2014年 16世紀から17世紀にかけて、日本史の一つの現象として生じた「キリシタン史」の意味を、『沈黙』(遠藤周作著)より世界史や日本史全体との関連を、筆者の視点と民衆の視点から考察していきます。 「『沈黙』の史実(ノンフィクション)と小説(フィクション)の識別(筆者の視点)」 16世紀から17世紀にかけて、日本史の一つの現象として生じた「キリシタン史」の意味を、『沈黙』に関連づけて世界史や日本史全体との関連で考察します。遠藤周作の沈黙で描かれたことと「史実」との違いを中心にすえながら、なぜキリシタンは迫害されなければならなかったのかを解明します。同時に、日本思想とキリスト教思想の決定的な対立軸を、日本の宗教思想の最も日本的といわれた「本覚思想」との関連から考察します。  「日本人は何を信じ守ろうとしたのか。何を棄てたのか(民衆の視点)」 江戸幕府の禁教令が出されての後、約20年間で、日本のキリスト教の根は絶たれたと遠藤は描写しました。もちろんそれは事実の一面ではありますが、一方で、250年という禁教時代に、キリスト教の伝統はある部分で生き残っていました。「七代したらキリスト教信仰を自由に公言できる日がくる」と長崎、外海、五島の「隠れキリシタン」たちは希望を繋ぎました。 その根本にあるのが、バスチャンの予言と「こんちりさんのりやく」というオラショでした。『沈黙』に描かれていないこの史実が、実際のところ、絶望的に終焉するはずの「キリシタン」の歴史を、希望の歴史へと変容しています。その点を、神学と歴史の考察から紐解きます。