【2023年度春学期】
今日、世界のムスリム(イスラーム教徒)人口は15億人ともいわれ、日本にも東南アジア出身者を中心に20万人以上のムスリムが生活しています。しかしイスラーム(教)程、わかりにくい宗教(思想)はないかもしれません。その一つの理由は原理原則(理念)と現実論との間の乖離です。イスラームは原理原則を重視しますが、世界各地に拡大したことからも推察できるように地域や時代状況に応じて非常に柔軟な対応をしてきました。宗教としてのイスラームの理解には、この多様性の現実に目を向ける必要があります。本講座では多様性と柔軟性という視点から、イスラームの歴史と思想を概観した後、イスラームを政治、経済、社会生活の三つの側面から考えていきます。その上でイスラームの理念が、現実の社会、政治や経済の中でいかに機能しているのか、マレーシアと日本のイスラームの事例をとりあげて議論をしたいと思います。
<開講のねらい>
本講座のねらいは、宗教を教義や理念だけから狭く考えることがいかに問題であるか、イスラームを事例に考えること、およびイスラームを通じてグローバルな次元で宗教と政治、経済の関係の多様性の現実を見ることです。
<関連キーワード>
「原則、全員の発言」「事前課題あり」「イスラーム」「ムスリム(イスラーム教徒)」「中東」「アジア」「東南アジア」「アフリカ」「諸宗教の共存」「民衆」「多様性」「柔軟性」「排他性と暴力性」「カルト」「寛容と非寛容」「異文化理解」「政教分離」「イスラーム法」「イスラーム経済」「資本主義」「市場経済」「公正」「関係性」「宗教と経済」「イスラーム教育」「消費文化」「「穏健」と「過激」」「モスク(礼拝所)」「地域社会・コミュニティ」「多文化共生」「地方自治体」「ネットワーク」
<ディスカッションの頻度・割合等>
ディスカッション 頻度 :毎回
ディスカッション 割合 :三分の一(30分)程度
個人発表 :毎回あり
チーム発表 :なし
ロールプレイング :なし
テーマに関する事前知識や部署経験の有無:なくてもよい
予定講師陣
■私市 正年(上智大学名誉教授) 第1回担当予定
■飯塚 正人(東京外国語大学(AA研)教授) 第2回担当予定
■加藤 博(一橋大学名誉教授) 第3回担当予定
■赤堀 雅幸(上智大学教授) 第4回担当予定
■久志本 裕子(上智大学准教授) 第5回担当予定
■店田 廣文(早稲田大学名誉教授) 第6回担当予定
*参考資料 別紙参照※上記「シラバスはこちら」をクリック(PDFファイルが開きます)