【2024年度秋学期】
国際社会の動きは激しく、今日、日本の安全保障についてもあらためて考えなければならない状況になっています。日本は、いうまでもなく四方を海に囲まれており、周辺国、とりわけ中国の海洋進出は大きな脅威にもなっています。また、ロシアとの関係も予測がつきません。一方、海は、軍艦や船舶航行だけではなく、漁業資源、エネルギー、環境にとっての海と様々な顔を持っています。これらは日本の経済、人々の暮らしそのものを支えていて、大きな意味での安全保障の問題ともいえるでしょう。全6回の講義では、日本を中心とする海洋問題とその現状、解決策を、国際政治の視点、国際法の視点、また国際交渉の現場の視点から俯瞰していきます。政治・交渉の場は、法を作り出し、今度はその法が政治を統御します。そうした相互作用についても知見を得られるでしょう。
<開講のねらい>
COVID-19やロシア問題を通して、日本が他国との相互依存関係にあることを痛感したのではないでしょうか。物流にとって海が重要なのはもちろん、エネルギー、環境問題、近隣諸国との安定的な関係など、すべてに海を抜きにしては考えられません。海との関係性から受講者それぞれの仕事や生活を考察するとどうなるのか、一緒に考えていきたいと思います。
<関連キーワード>
「海洋安全保障」「中国」「南シナ海」「尖閣諸島」「捕鯨問題」「北極航路」「国際裁判」「環境問題」「領土問題」
<ディスカッションの頻度・割合等>
受講者の人数にもよりますが、講義を60分から70分、残り時間を質疑応答やディスカッションに使う予定です。
テーマに関する専門知識は必要ありません。ニュースなどを通して興味関心を深めておいてください。
個人発表 :なし
チーム発表 :なし
ロールプレイング :なし
テーマに関する事前知識や部署経験の有無 :なくてもよい
予定講師陣
■都留 康子(上智大学総合グルーバル学部教授) 第1回担当予定
■三船 恵美(駒澤大学法学部教授) 第2回担当予定
■山田 吉彦(東海大学海洋学部教授) 第3回担当予定
■鶴田 順 (明治学院大学法学部准教授) 第4回担当予定
■坂元 茂樹(神戸大学名誉教授、(公財)人権教育啓発推進センター理事長) 第5回担当予定
■森下 丈二(農林水産省顧問) 第6回担当予定
※カリキュラムの予定に変更が生じた場合、速やかに更新いたします。
*参考文献
「米中覇権競争と日本」[ISBN:978-4-326-30306-9] 2,700円
「侮ってはならない中国―今日本の海で何がおきているのか」 [ISBN 978-4797281040] 968円