【2021年度春学期】
デジタル・データ、AI(人工知能)、IoT、ブロックチェーンといった新しい情報通信技術に支えられ、第四次産業革命と呼ばれる大きな社会変革が起こりつつあると考える人が増えています。同時に、ここ20年間のインターネットの爆発的な発展により、金融システム、データ独占、シンギュラリティ―など、社会のさまざまな部分で歪みが蓄積し、新たな歪みのたねも生まれつつあります。その中で、私たちは、どのようにして新しい技術と向き合っていったらよいのでしょうか。
アメリカのICTエンジニアたちの間では、調和のとれた社会と技術の総体が「エコシステム」と呼ばれ、IT産業を支えるのに不可欠とされています。今、必要なのは、これを社会全体に広げ、技術と人が共生し、さらなる発展を生み出すソシオ・エコシステムを構築することでしょう。本講義では、この問題をデータの独占と所有権、ブロックチェーンによるIoTデータの利活用、未来のデジタル通貨の役割、デジタル資産の新しいビジネスといった観点から検討します。
予定講師陣
■矢野 誠(上智大学特任教授、京都大学特任教授、経済産業研究所理事長)