【2021年度秋学期】
企業活動と環境法といえば、これまでは、規制基準へのコンプライアンス(法令遵守)が中心となっていまし
た。たしかに、産業廃棄物の不法投棄や工場排水の基準違反が報道されると、その企業には、大きな社会的ダメージが発生します。このため、企業は、環境法令遵守に相当の注意を払ってきましたが、ともすればそれは、工場・事業場における最低限度の取組みにとどまる傾向がありました。
「必要以上の取組み」を、マイナスと評価する企業もあります。しかし、そのような発想しかできない企業を、投資家はマイナス評価するようになってきています。企業は、社会という、より大きな枠組み・コンテキストのなかで、自社の発展を考えなければならないのです。
本講座においては、社会的存在である企業の環境活動のあり方を、環境コンプライアンス、CSR(企業の社会的責任)、SDGs(持続可能な開発目標)、ESG(環境・社会・ガバナンス)というコンセプトのもとで検討し、具体的にどのような意思決定体制を整備し、その周知及び情報共有を含み、どのような措置を講じるべきなのかを検討します。ひとつの企業は、顧客、従業員、地域コミュニティ、同業他社、機関投資家、環境団体など、さまざまなアクターの「眼」のもとにあります。講義や討論を通じて、それぞれの企業にとっての方向性を探しましょう。
予定講師陣
■北島 隆次(弁護士/TMI総合法律事務所)
■小野塚 惠美(カタリスト投資顧問株式会社 取締役副社長COO)
■藤井 良広(一般社団法人環境金融研究機構代表理事)
■喜多川 和典(公益財団法人日本生産性本部コンサルティング部エコ・マネジメント・センター長)
■後藤 敏彦(サステナビリティ日本フォーラム代表理事)
■北村 喜宣(上智大学教授)
共同企画者 ■安達 宏之(有限会社 洛思社 代表取締役)