【2021年度秋学期】
長い歴史を経て、今も存続しているどんな大組織も最初の姿のままで今に至っているわけではないでしょう。たくさんの挑戦や難題に直面して、自己変革や適応を経ていまの姿になっていると思えます。2千年の歴史を持つローマ·カトリック教会もその例にもれず、1世紀から現代にいたるまで世界のすみずみまで出かけていきましたが、現地の文化と摩擦を引き起こしたり、政治にまき込まれたり、内部分裂の危機も味わい、 困難だらけの歴史でした。初期のギリシャ世界、ペルシャ、インド、中国、 南米、 日本などでの伝道の苦労も大きなものでした。しかし、今なお、根本のアイデンティティーを中核として維持し、 世界のすみずみで存在する世界宗教として続き、信徒数も増えています。 本講座では、 教会や宣教師が出会った困難やそれへの対処の工夫の歴史を見つめることにより、種々の分野でグローバルに活躍する方々に発展的な学びが得られるようにと願っています。
各回の講義テーマ
第1回: 仏教とキリスト教の東漸と変容と発展
第2回: ケルト文化と多神教的カトリック
第3回: 女神信仰・聖母信心と聖人たち
第4回: 南米のミッション
第5回: 中国大陸に入ったキリスト教(景教、イエズス会マテオ・リッチ)、現代中国とキリスト教
第6回: 日本に入ったキリスト教、 キリシタン時代 (武士·茶人 キリシタン:高山右近)、 潜伏キリシタンと教会群
予定講師陣
■ホアン・アイダル(上智大学教授)
■阿部 仲麻呂(上智大学非常勤講師)
■レンゾ・デ・ルカ(カトリックイエズス会日本管区長)
■山岡 三治(上智大学名誉教授)