【2021年度春学期】
昨今ちまたでは“日本らしい”という言葉をたびたび耳にします。その言葉は時に、日本には古来から特有のすぐれた文化があり、それを忘れてはならないという危機意識をにじませる調子であったりしますが、その問題意識は果たして正しいのでしょうか。実のところ日本文化は度量が広く、これまで多くの外来の文化や思潮を取り込みながら豊かな自国の文化を形成して来たのであり、その意味で昔から多種多様な顔をもっていたのではないでしょうか。つまり、“日本らしい”ということは、多様な文化を有するという意味なのではないでしょうか。この講座では、これまで日本文化が吸収して来たものを具体的に例示しながら、日本文化の多様性を考えようと思います。
予定講師陣
■長尾 直茂(上智大学教授)