【講師】
岩島 忠彦 イエズス会司祭
ドイツで神学博士号取得後、1983〜2014年上智大学神学部教員。
2014〜2018年日本カトリック神学院(福岡)教員。
現在、上智大学名誉教授、四ッ谷聖イグナチオ教会で信仰入門講座等担当。
専攻分野/組織神学
著作/『キリストへの道』女子パウロ会、他多数
http://t-iwasi.my.coocan.jp/
福音書はマルコ・マタイ・ルカの三つを共観福音書と呼び、70年から80年頃に書かれました。少し遅れて90年代頃にヨハネが書かれたと思われます。最初の三つは相互に関係しているとみられ、そのために並べて比較できることから「共観」と呼ばれます。
さて、その中で一番最初に書かれたのがマルコ福音書で、福音書という文学類型、つまりイエスの言動と運命を流れの中で追っていく形を、初めて提示しました。それぞれの福音書には独自の特徴があり、マルコはイエスの公生活を十字架への道として提示しているようです。
マルコの流れは主に、@ガリラヤでのイエスの宣教(1・1〜9・50)Aエルサレムへの途上におけるイエスの言動(10・1〜52)Bエルサレムにおけるイエスの言動と十字架への道(11・1〜16・8)となります。本講ではマルコ福音書の成立過程を見た後、テキストに沿って注目すべき箇所を中心に順次解釈していきます。
《参考書》(必須ではないが、講読により理解が深まるもの)
『マルコによる福音書―十字架への道イエス』
著者:川島貞雄 日本基督教出版局