【講師】
小林順治 上智大学名誉教授
メールアドレス/ junji-k@sophia.ac.jp
「組織の時代」である現代の社会に生きている私たちは、組織と関係をもたずに生活していくことは不可能と言ってよいでしょう。
現在の日本では、「働き方改革」が差し迫った課題として、その必要性が叫ばれていますが、ここで問題とされている働き方とは、言うまでもなく、組織における働き方です。では、なぜ組織における「働き方改革」が問題になっているのでしょうか。この問いに端的に答えるならば、現代社会に生きているほとんどの人々が組織についての十分な理解を欠いているからだということになるでしょう。したがって、この問題の原因は、現代人が科学的な組織理解に基づいて組織を使いこなすことができていないことにある、と言うことができます
私が常々、主張していることですが、組織論は、現代人にとっての必須科目であり、教養科目です。今期の講座では、今後の講座で、継続的に本格的な組織論、すなわち組織の理論を展開していくための導入として、人類にとっての組織の歴史と、組織を対象とする科学としての組織論の歴史を取り上げます。
こうしたことを学ぶことによって。近現代の組織論をより深く理解することが可能となります。組織の理論を学び、組織について理解している人は、組織に使われることなく、組織を使いこなすことができるようになります。