【講師】
久保 文彦 上智大学神学部神学科常勤嘱託講師
1965年、長野県生まれ。東京都立大学大学院博士課程(哲学専攻)、上智大学神学部、神学研究科修士課程修了(キリスト教神学専攻)。現在、上智大学神学部講師。
専攻/聖書学、キリスト教人間学
著作/『生きる意味 キリスト教への問いかけ』オリエンス宗教研究所 2017年
キリスト教徒が「旧約聖書」と呼ぶ文書群は、古代イスラエルの国家滅亡後に、イスラエル再建を意図した古代ユダヤ教の知識人によって編集されました。ナザレのイエスや、パウロをはじめとする最初期の教会の人々にとって、「聖書」とは「旧約聖書」のことにほかなりません。彼らは、旧約聖書を読み、その内容について互いに議論し、神の教えを学びました。
本講義では、旧約聖書にその発言と行動が記録された、古代イスラエルの預言者について学びます。人生はまことの神の教えに基づいていなければならないと考えた彼らは、社会のあるべき形、人間のあるべき生き方を追求し、行動した政治知識人です。イエスの活動や、イエスをキリストとして信じた教会の信仰は、古代イスラエル預言者の精神性に支えられています。「人間を真に活かすことばは、預言者を通して語られた」という聖書の根本的な洞察について、受講者のみなさんと学べることを願っています。
参考書(必須ではないが、講読により理解が深まるもの)
『旧約聖書の預言者たち』雨宮慧著 NHK出版 ISBN978-4140840658