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2150 渋沢栄一の経営思想 −近代日本企業への影響−

曜日・時間 指定木曜日 18:45〜20:15
開催日 9/27から
回数 12回
講師 小林 順治
テキスト なし
備考 定員40名 開講判定日 9月19日 受講申込締切・受講中の方のキャンセル受付 10月18日 ※本講座は講座変更できません
スケジュール スケジュールはこちら
受講料(税込)申し込み
32,400円 受付期間外です。
2150 渋沢栄一の経営思想 −近代日本企業への影響−
【講師】 小林 順治 上智大学名誉教授 専攻分野/ 経営組織論 Eメール/ junji-k@sophia.ac.jp  明治維新が、日本社会に大きな構造的変動をもたらし、近代への幕開けをもたらしたことは、誰でもが認めるところです。  明治維新を転機として、日本経済は、前近代的な封建制経済から近代的な資本主義経済へと変貌を遂げました。日本における企業が、それ以前の伝統的企業から近代的企業へと転化していったのも明治維新を転機としています。  今期の講座では、「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一の経営思想とそれが明治期以降の日本企業の経営に与えた影響を取り上げます。  マックス・ウェーバーは、『プロテスタンティズムと資本主義の精神』で、当時のヨーロッパ先進諸国やアメリカ合衆国において、近代資本主義が勃興し、資本主義経済が発達を遂げるためには、資本の蓄積や技術の発達といった基礎的諸条件とともに何らかの精神的原動力が必要あり、当時のヨーロッパやアメリカにおいては、それがプロテスタントの宗教倫理から生み出された「資本主義の精神」であったことを論証しました。  日本では、明治維新による封建制の崩壊とともに、資本主義がいわば輸入されました。その後、資本主義経済は急速に発展し、日本がキリスト教文化圏以外で初めての産業化に成功した国となったことは歴史的事実です。  明治維新以降の日本に、欧米型の資本主義企業の企業形態である株式会社の制度を紹介し、導入を促進したのは渋沢栄一です。渋沢は、資本主義企業の仕組みを整えるとともに、マックス・ウェーバーが資本主義に不可欠とした「資本主義の精神」に相当する精神を近代日本企業に浸透させるどのように力をしました。それは、欧米のキリスト教を基盤とするものとは、まったく異なる儒教を根源にもつ経営思想であり、『論語と算盤』によってその内容を知ることができます。  講座では、渋沢栄一の経営思想の内容を理解し、それが日本企業の経営の精神の形成にどのように影響を与え、日本企業に特有な「日本的経営」を産み出してきたのか、を検討します。  同時に、現在の日本企業がそれを失い、「思想なき実践」「精神なき技法」を追い求めている現状を批判的に検討します。