講師:上智大学神学部神学科准教授 森 裕子
「グレゴリオ聖歌の律動性の特徴(全2回)」
@「四旬節、聖週間の聖歌を通して体感する」
この講義では、グレゴリオ聖歌を、その律動性、すなわちリズムの側面から考察し、味わってみます。第一部では最初に、グレゴリオ聖歌の律動性の根底にある、ことばというものの意味、聖歌の口伝性、およびネウマ譜という聖歌の記譜法について、概略を説明します。その後、キリスト教の暦として、この講義が丁度その時期にあたる四旬節と聖週間に歌われる聖歌から、何曲かを具体的に聴いたり、歌ったりしながら、聖歌のことばがどのように生きたものとして響くのかを体験できればよいと考えます。
A「四旬節、マリアの交唱を通して体感する」
第二部ではまず、グレゴリオ聖歌のリズムの特徴についてお話しします。その後、四旬節中に歌われるマリアの交唱と言われる聖歌を、実際にリズム的に分析し、演奏されたものに耳を傾け、またできれば実際に歌ってみることで、聖歌のリズム的な特徴を体感することができればよいと考えています。最後にことばをからだの中に響かせて歌う祈りの意味、とりわけグレゴリオ聖歌を歌うことの意味についても考察します。