講師:上智大学文学部史学科教授 川村 信三
「キリシタン大名高山右近とその時代(全2回)」
@「高山右近の史実」
高山右近の生涯をたどる伝記は世に多く出回っています。その一つひとつはすばらしいもので右近のひととなりを理解するのに役立ちます。ただ、右近を取り巻く時代と環境を説明する本はほとんどありません。右近との関係で語られる地域は高槻、明石、金沢です。本講座では、高山右近ご生きた時代を俯瞰することによって、あらたに右近を理解する視点を探ろうというものです。
A「高山右近の現代的意義」
武将として、大名として、そしてキリシタンとして、右近は戦国の荒波に生きていました。そして信念を貫き、歴史の表舞台から姿を消すこととなりました。その生涯を振返ることが、今の私達にとってどのような意味を持つのか。右近の貫いた「忠義」、茶室の静謐な祈り、信仰の表し方などについて考えてみたいと思います。