−宗教や信仰のあり方を考える−

清水寺の観音さまに日参する老尼、何やら熱心にお願いしています。老尼の願いは、「大好きな枇杷は種が大きすぎる。何とか種をなくして欲しい」というもの。それを隠れて聞いた人は大笑い。「そんなこといくら観音さまでも聞いてくれるはずがない」と。著者いわく「世間で何かを求めてお経や念仏を唱えるのも老尼の行為と変わらない。仏菩薩はそんな願いを聞きはしない。」
『夢中問答』はこんな分りやすい譬えで宗教や信仰の真のあり方を説いています。著者は夢窓疎石禅師。混迷する今の世の中だからこそ信仰や宗教について改めて考えてみませんか?