「雅」の極地とされる平安時代の宮廷政治の姿をたどりながら、『源氏物語』に描かれたさまざまな愛憎、哀しみ、憐れみをたどります。平安時代とは、はたして煌びやかな「雅(みやび)」の時代だったのか。紫式部が描こうとした宮廷社会の実像に迫ります。 第1回紡ぎだす言葉の糸 稀代の傑作とされる長編小説『源氏物語』に描かれた世界とは何か? 「雅」の極地とされるこの作品には、大いなる暗闇もまた存在します。その謎を解くため、まずは紫式部とはいかなる女性だったのか。そして『源氏物語』はなぜこの時代に書かれたのか、についてお話しを進めていきます。「宮廷世界」に潜む光と闇。紫式部の紡ぎだす言霊≠ノ誘われるようにして「物語」のはじまりを論考していきます。
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