< 講座概要 >
かぜ(風邪)とは、発熱、鼻水、くしゃみ、鼻づまり、のどの痛み、咳などの症状がおきます。原因の多くはウイルスであり、多くの場合は対症療法での治療を行います。微生物としてはライノウイルス30-50%、インフルエンザウイルス10-15%、RSウイルス5-15%、パラインフルエンザ5%が原因となり、多くがウイルス感染症となります。ウイルスが原因となるため抗菌薬は効果がなく、対症療法を行います。8週間以上続く咳:慢性咳嗽の際には、原因として咳喘息(34.3%)やアトピー咳嗽(10-15%)、副鼻腔気管支炎症候群(6-10%)などがあり、逆流性食道炎(11.9%)も咳の原因として多く見られます。この際には肺結核などの可能性もあるため、検査を行います。2020年には結核の罹患率が人口10万人当たり9.2となりましたが、現代の日本においても一般的な病気となっており、若年者や妊婦さんでも発症します。約50%の肺結核患者は症状がなく、人に感染させます。2019年より日本で確認された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)については、症状、治療、後遺症などのお話をしていきます。感染症にかからないためにも、日々の手洗いが重要になります。ハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐと、ウイルスの数は1万分の1に減少し、アルコール手指消毒液は30秒接触することで微生物量を1分後には10,000〜100,000分の1まで減少させることができます。
< 受講生へのメッセージ >
感染症科ではデング、マラリア抗体検査(自費)や渡航の際のワクチン(肝炎ワクチン、狂犬病、破傷風など)や移植前の患者のワクチン接種、提案なども行っております。また、渡航後のデング、マラリア、HIV、梅毒などの診療を行っております。外来診療日は月曜日(午前)、金曜日(午前)、第1・3土曜日(午前)で予約制となります。院内の感染対策、手指衛生などに対する指導も行い、感染対策向上加算連携医療機関とは日頃ディスカッションを行い、八王子保健所と連携し感染対策や抗菌薬適正使用支援なども行っております。この講演が今後の診療や感染対策の参考となり、日々の暮らしの一助となれば幸いです。
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