< 講座概要 >
現在、人間活動による地球規模での環境汚染が大きな社会問題となっています。このような地球環境問題に対して倫理的な観点から考察する学問が環境倫理学ですが、今回の講義では、そもそも環境倫理とは何なのか、レイチェル・カーソンの「沈黙の春」にはじまる環境倫理の歴史を概説し、環境倫理の基本概念についてお話しします。また、環境倫理における3つの基本主張とされる1)自然の保護・生存権、2)地球の有限性、3)世代間倫理について、様々な哲学者の考えを交えながら解説します。具体例として地球温暖化問題なども環境倫理の実践的課題として取り上げ、できるだけ分かりやすく環境問題を哲学的に考える機会を皆さんに提供したいと思います。
< 受講生へのメッセージ >
地球規模で生じている環境問題について、様々なメディアを通じてある程度ご理解されている人も多いかとは思いますが、環境問題の「善/悪」、「正義」、および「責任」などについて、倫理学的にどのように考えられているかまではなかなか知る機会がありません。今回の講義ではできる限り具体例を挙げながら、平易な言葉を用いて環境倫理において議論されていることをお話ししたいと思います。気軽にご受講ください。
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