手恷。虫と戦後のマンガ文化
〜マンガ表現における「映画的様式」の定着〜

講座番号: 公開講座

< 講座概要 >
戦後、日本のマンガはその表現様式を変化させ、それに伴い、語り得る物語の質も大きく変容していきました。これに関わった人物のひとりとして、日本で最も有名なマンガ家である手恷。虫がいます。本講座では、1940年代後半から50年代前半にかけて、手怩ェそのキャリアの初期に発表した作品とそのリメイク版とを取り上げ、冒険譚に終始したオリジナルに対し、リメイク版では登場人物の内面的変化が盛りこまれていることを示します。この物語的変化は、同時期の映画から着想を得た場面転換やコマ展開の際の工夫によって支えられていました。マンガ表現論やメディア論の知見を生かしながら、表現領域を越えた影響関係にも目を向け、マンガが現在のような物語メディアになる過程を追います。 ※令和5年度前期講座とおおむね同じ内容です。 【オンデマンド配信について】 会場で行った講座を録画したものを後日配信します。詳細については後日、ホームページでお知らせいたします。
< 受講生へのメッセージ >
「マンガ研究」が大学でも扱うに足る学問領域として自立してから、もう30年近くになります。ふだんマンガを読んでいるだけでは気がつかないかもしれませんが、マンガにはさまざまな読みのルールが存在しています。そして、そうしたルールは当初から存在したわけではなく、歴史的に形成されてきたものでもあります。このようなマンガ研究の視点を体感してもらうことは、日々のマンガ経験を豊かにすることにも繋がっていくでしょう。
分野文化
期間2024/05/11(土)
曜日・時間土曜日 13:30〜15:00
回数1回
講座提供機関創価大学
会場学園都市センター
残席状況
お知らせ
備考場所:第1セミナー室 定員54名(予定)
その他資料      
講座詳細詳細
【講座スケジュール】
日程時間講義内容
2024/05/11(土) 13:30〜15:00

【講師紹介】
森下 達
文学部 人間学科 准教授 1986年、奈良県生まれ。2015年、京都大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。東京成徳大学人文学部助教を経て、2019年より創価大学に勤務。2017年には著書『怪獣から読む戦後ポピュラー・カルチャー 特撮映画・SFジャンル形成史』(青弓社、2016年)で第41回日本児童文学学会奨励賞を受賞している。 『怪獣から読む戦後ポピュラー・カルチャー 特撮映画・SFジャンル形成史』(青弓社、2016年)、『ストーリー・マンガとはなにか 手恷。虫と戦後マンガの「物語」』(青土社、2021年)ほか。
料金区分受講料
一般 0円