< 講座概要 >
第一回: 『ファウスト』第一部 「夜」:年老いたファウスト博士が生涯を振りかえり、万巻の書物を読み書類の山に埋もれて研究を続けてきたのに「なにもわかっていない」現在を嘆き、自殺を決意する場面。旧制高校の学生であれば誰もが暗記していたとされる、ファウストの長い独白を解説します。
第二回: 『ファウスト』第二部「遊園」:悪魔とファウストは財政破綻に苦しむ宮廷に乗りこみ、皇帝をだまします。その手口は埋蔵金があるのだからどんどん紙幣を刷って現在の経済的苦境から脱しましょう、というもの。しかし、この埋蔵金は存在しませんでした。さてどうなるのでしょうか?
第三回:「夜ふけ」「夜半」:悪魔に操られるファウストは、とうとう善人の老夫婦と旅人の殺害に加担します。自身の野望が罪なき人びとの命を奪ったことを自覚できないファウストの前には、四人の灰色の女が現れます。彼女たちは何者だったのか? ファウストにとって最も耐え難かったものは何か。生きることの恐ろしさを解説します。
(注)三回連続講義となりますが、一回ごとに完結しますので、三回すべてを受講しなくても講義の内容はわかります。
※3日連続開講講座です。日程にご注意ください。
< 受講生へのメッセージ >
本講義では『ファウスト』のなかから特に有名な三場面を選んで解説を行います。
この本は戯曲ですので、場面ごとに話がある程度終わるように書かれています。すべて読まなくても部分的に楽しむことが可能な本です。
時代背景や言葉の説明などに加えて、ファウストという近代的人間の特徴に関しても解説します。また特に有名なセリフにはドイツ語(カタカナの振り仮名付き)を紹介して、原典のドイツ語の響きを体験していただきます。
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