< 講座概要 >
歴史的に、スパイ・兵士・ハッカー・海賊・商人・暴君・政治活動家など、他人と秘密を共有する必要がある人たちは暗号に頼ってきました。現在では、インターネット上での買い物での安全性や契約上の本人認証といった様々なシーンで、暗号は不可欠となっています。その暗号理論発展の歴史において、暗号理論学者・数学者と盗聴者がどのような攻防を繰り広げたか、その一端を味わってもらえればと思います。
本講座では、暗号の歴史について、紀元前から使われていたた「シーザー暗号」や「ヴィジュネル暗号」から始め、「ADFGVX暗号」や「エニグマ」といったコンピュータ実用化前の暗号が、どのように解読され、どのような工夫の下で進化してきたか、歴史と数理の側面から解説します。そして、コンピュータの登場から、インターネットの普及、そして量子コンピュータの登場、と
いった時代に個人情報を守るために必要とされている暗号・特に公開鍵暗号である「RSA暗号」に関して、その仕組みや性質を解説し、現在危
惧されている危殆化について紹介したいと考えています。
(注意)本講座では、法律上のトラブルを引き起こす様な危険なものは取り扱いません。
※この講座は、令和4年度後期講座と同じ内容 ですが、最終回は最新の動向を扱います。
< 受講生へのメッセージ >
数理と聞いて身構える方もおられると思いますが、歴史パートだけでも楽しんでいただけるよう構成をしますので、ぜひ暗号の世界をご体験ください。
また、暗号実装・解読の実演も行う予定ですので、余力がある方は Wi-Fi 接続可能なコンピュータやスマートフォンを用意頂ければ、より楽しんでいただけると思います。
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