映画スペイン語U

講座番号: 09-42

< 講座概要 >
【授業の目的】 映像を伴うスペイン語の音声を聴取し書き起こすことによって、実際の会話スピードで起こる音声の変化や、リズム・イントネーションの違いがわかる聴解の力を養うことが目的である。また、場面による表現の練習や、シャドウイングによってより自然なスペイン語が話せるよう、また聞き取れるよう訓練を繰り返す。 【到達目標】 話し言葉でよく使う単語や表現を学ぶと同時に、音声聴取法の基礎となる聴解力を身につける。音声を繰り返し聞いて、聴取・書き取りの力を付ける。また、音声の変化について理解し、音声学的に説明する力を付けることが到達目標である。 第1回 (イントロダクション)外国語学習教材と映画 外国語学習の様々な手段について、『外国語上達法』(千野栄一)、『私の外国語学習法』(カトー・ロンブ)、『外国語の水曜日』(黒田龍之助)などを手がかりに、効果的学習法としての映画の効用について考える。 第2回 スペイン語圏の映像文化 Marcelino, pan y vino、El esp?ritu de la colmena、Mujeres al borde de un ataque de nervios など、スペインの代表的な映画を紹介しつつ、スペイン語圏の映像文化とその歴史について概観する。 第3回 外国語音声聴取の諸問題 音の聴取と知覚とに関与する要因には様々なものがあって、音源や媒質に関係するもの、聴覚の受容器による伝音・感音に関係するものと、大脳皮質の聴覚野に関係するものなどが考えられる 。これらの要素が実際にどのように影響するかを実験によって確認する。 第4回 歌詞の書き取り演習 歌曲の歌詞書き取りの演習と講評を通して、母語の場合と外国語の場合とで、どのような問題が生じるかを検討する。日本語の歌曲の歌詞書き取りに続いて、スペイン語の歌曲の歌詞書き取りとその詳細な検討を行う。 第5回 外国語聴取の音声学的考察@ 主に日本語人学習者がスペイン語音声を聴取し書き取る場合に起こる現象を、実際の例を検討しつつ、音声学的説明を試みる。誤聴取の類型として、@子音の誤聴取、A母音の誤聴取、B音色の誤聴取、C弱化と同化、D機能語や機能部の欠落、Eセグメンテーションの誤りなどの問題を検討する。 第6回 外国語聴取の音声学的考察A 引き続き、誤聴取の様々なパタンと原因を検討する。F語や語句の誤り、G未習単語の問題、H書き取りと正書法、などの他、Iイントネーションと文の種類、J句読法の問題についても外国語学習の観点から詳細に検討する。 第7回 スクリーンプレイ学習法@ 英語学習の方法の一つとして定着している、スクリーンプレイ学習法について、実例に即して概観する。『スクリーンプレイ学習法―シナリオのからくり、セリフのなりたち』(新田晴彦)を参考にして、英語の諸例からスペイン語ではどのような問題点が現れるかを考える。(+次回ための課題予告) 第8回 スクリーンプレイ学習法A 受講者による、スクリーンプレイ学習のための映画の研究レポートを口頭で発表し、スペイン語学習の過程で実際に体験したこととの結びつきについて考える。 第9回 聴取実習@ El Sur T El Sur es una pel?cula espa?ola dirigida por V?ctor Erice y se estren? en Madrid, en el a?o 1983.「エル・スール」全編をみてストーリーの把握と、スペイン語のリズムやメロディー、イントネーションを観察する。劇中のel Cheli という当時の若者言葉が登場する点にも注目する。 第10回 聴取実習A El Sur U 指定箇所の聴取書き取りの実習を行う。受講者は各自書き取りを行い、担当教員が個別に指導する。ノートを一冊書き取りの実習用に準備すること。Andalucia 方言が出てくるシーンが興味深い。 第11回 聴取実習B El Sur V 個別に書き取りを行うので、不明の箇所は大量にためないで、こまめに担当教員を呼び、問題を解決すること。授業の広範は各自の書き取り結果を発表し、相互に音声学的検討を加える。 第12回 聴取実習C El nidoT El nido es una pel?cula espa?ola de 1980 escrita y dirigida por Jaime de Armi??n y nominada al ?scar de Hollywood. 主演のdon Alejandro 役のH?ctor Alterio、Goya 役のAna Torrent のスペイン語に注目。全編をみてストーリーの把握とここの登場人物の発話の音声的特長を観察する。 第13回 聴取実習D El nido U 指定箇所の聴取書き取りの実習を行う。受講者は各自書き取りを行い、担当教員が個別に指導する。 第14回 聴取実習E El nido V 個別に書き取りを行うので、不明の箇所は大量にためないで、こまめに担当教員を呼び、問題を解決すること。授業の広範は各自の書き取り結果を発表し、相互に音声学的検討を加える。 第15回 スペイン語音声学の展望と最終試験 各国語音声学の教育と研究における意義について考える。引き続き、筆記試験を実施する。辞書の参照は可である。
< 受講生へのメッセージ >
【授業の方法】  スペイン語音声学・音韻論と、言語聴取法の概論については、印刷教材を用いて学問的基礎を構築する。授業計画に従って、教材として編集されたものではない一般の映画を用い、音声聴取の実習ならびに音韻論と正書法を意識した書き取りの実習を行う。また、誤聴取について音声学的に検討を加える。 【予習・復習】  授業時間には限りがあるので、実習に用いる映画は各自で繰り返し見て、場面とストーリーを時系列的に記憶するように努める。聴取書き取り実習とそれに続く音声学的考察の成果を踏まえて、当該部分を再度検証する。
分野言語
期間2018/09/21(金)〜2019/01/18(金)
曜日・時間金曜日 09:20〜10:50
回数15回
講座提供機関拓殖大学
会場拓殖大学
残席状況
お知らせ
備考大学正規授業
その他資料      
講座詳細詳細
【講座スケジュール】
日程時間講義内容
2018/09/21(金) 09:20〜10:50
2018/09/28(金) 09:20〜10:50
2018/10/05(金) 09:20〜10:50
2018/10/12(金) 09:20〜10:50
2018/10/26(金) 09:20〜10:50
2018/11/02(金) 09:20〜10:50
2018/11/09(金) 09:20〜10:50
2018/11/16(金) 09:20〜10:50
2018/11/23(金) 09:20〜10:50
2018/11/30(金) 09:20〜10:50
2018/12/07(金) 09:20〜10:50
2018/12/14(金) 09:20〜10:50
2018/12/21(金) 09:20〜10:50
2019/01/11(金) 09:20〜10:50
2019/01/18(金) 09:20〜10:50

【講師紹介】
安富 雄平
外国語学部 教授 最終学歴:上智大学大学院 外国語学研究科言語学専攻博士後期課程修了(1990年3月) 著書:「フリーウェイ・スペイン語」ナツメ社 1992年 共著:『スペイン語入門』NHK学園 1989年 『スペイン語初級』NHK学園 1991年論文:「現代スペイン語の無感情イントネーションリズム」語学研究(104)2003年 「日本語とスペイン語の人名愛称」語学研究(110)2005年 「日本語人初級学習者によるスペイン語音声聴取理解の問題点」語学研究(129)2013年 論文(共著):「聴覚障害者の聞こえ方を疑似体験する機器の開発(3)」人間関係学研究(8)2007 ほか
料金区分受講料
一般 11,000円
学割 5,500円