日本語・日本人論

講座番号: 04-15

< 講座概要 >
■授業形態:対面授業 ■授業の目的及び到達目標: 大きく2つの目的をもって進める。「日本人論」や「日本語論」というものは巷に多く存在するが、それらが成立した(あるいは必要とされた)歴史的経緯に目を向け、できるだけメタ意識を持って「日本人」や「日本語」を論じる素養を身につけることを目指す。さらに、言語と文化の関係に焦点を当て、「日本語らしさ」と指摘されるものについて、いくつかの議論の構造を理解する。「日本人」や「日本語」に対する直感的イメージを否定するわけではないが、その感覚を成立させているものについて、一歩引いた態度で考察できるようになることが目標である。 ■授業計画: 第1回:「日本人」とはだれを指すのか「日本人」は、いつからどのように「自分たち」を均質的な民族として描き出すようになったのか、歴史的経緯を概観すると同時に、現代の文脈も踏まえて「日本人」とは何かを考える。 第2回:「日本人論」はなぜ必要とされてきたか(1)日本では「日本人論」への関心が高いとされ、事実、「日本人論」に区分けされる書籍は膨大に上る。代表的なものを取り上げ、「日本人論」が求められてきた時代背景を考える。 第3回:「日本人論」はなぜ必要とされてきたか(2)引き続き、「日本人論」をめぐる議論を概観し、現代のメディア等に現れる日本人像についても取り上げる。 第4回:「日本語」はいつから「日本語」か(1)現代日本人が無自覚に「日本語」と捉えているものが、どのような経緯をたどってきているのか、特に近現代の「国語・国字問題」に焦点を当てて概観する。 第5回:「日本語」はいつから「日本語」か(2)引き続き、日本語観の変遷について概観する。 第6回:「言語は文化を反映している」のか(1)一般に言語と文化の関係について、これまでどのような議論がなされてきたかを概観する。 第7回:「言語は文化を反映している」のか(2)引き続き、言語と文化の関係をめぐる議論を概観し、具体的な事例も参照する。 第8回:文法と「日本語らしさ」「日本語らしさ」と指摘されるものについて、特に文法面の現象を取り上げる。 第9回:配慮・心地よさと「日本語らしさ」「日本語らしさ」と指摘されるものについて、丁寧さやコミュニケーションにおける快・不快の文化差に焦点を当ててみていく。 第10回:日本語教育と「日本語らしさ」「日本語らしさ」という概念を日本語教育の文脈で考える。 第11回:「日本語」の多様性とこれから「日本語」の多様性に焦点を当て、ここまでに取り上げていない、方言、位相語などについても理解を深める。 第12回:まとめとふりかえり授業全体をふりかえり、議論を深め、試験に備える。 第13回:試験とフィードバック試験を行い、ポイントとなる点について解説する。
< 受講生へのメッセージ >
大学卒業後、さまざまな仕事を経験したのち、日本語教師に。昔の自分にとっては思いがけないことに、「ことば」を研究対象とする道に進むことになりました。 「ことば」は人間活動のあらゆる事象とかかわりがあるので、その研究のアプローチのしかたは実にさまざまです。「ことば」を深く知るために、広げるべき視野は無限大といってもいいでしょう。興味がひとつにしぼれないという人、その関心のひとつと「ことば」の関わりを探求することから大学での学びを始めてみませんか。
分野言語
期間2024/04/18(木)〜2024/07/18(木)
曜日・時間木曜日 13:50〜15:35
回数13回
講座提供機関拓殖大学
会場拓殖大学
残席状況
お知らせ
備考受付終了 大学正規授業
その他資料      
講座詳細詳細
【講座スケジュール】
日程時間講義内容
2024/04/18(木) 13:50〜15:35
2024/04/25(木) 13:50〜15:35
2024/05/02(木) 13:50〜15:35
2024/05/09(木) 13:50〜15:35
2024/05/16(木) 13:50〜15:35
2024/05/23(木) 13:50〜15:35
2024/05/30(木) 13:50〜15:35
2024/06/06(木) 13:50〜15:35
2024/06/13(木) 13:50〜15:35
2024/06/20(木) 13:50〜15:35
2024/06/27(木) 13:50〜15:35
2024/07/04(木) 13:50〜15:35
2024/07/18(木) 13:50〜15:35

【講師紹介】
小井 亜津子
外国語学部 准教授 2002年3月 東京大学文学部歴史文化学科考古学コース卒業 2012年3月 拓殖大学大学院言語教育研究科博士前期課程修了 2018年3月 拓殖大学大学院言語教育研究科博士後期課程修了 学術論文(単著)2021年10月 「2変数の相関性を表す文の記述的研究―「決まる/変わる/異なる/違う」を述語とする文を対象に―」 学術論文(単著)2022年3月 <聞き手行為+テモラッテモイイ>構文を発話する話し手の4タイプ 学術論文(単著)2022年10月 テモイイと共起するテモラウとテクレルの非対称性
料金区分受講料
一般 11,000円
学生 5,500円