< 講座概要 >
■授業形態:対面授業
■授業の目的及び到達目標:
本講義の目的は、日米関係の歴史を学習し、日本にとって特殊な二国間関係の誕生から発展、そして現状を解明することである。
19世紀から始まる日米関係の歴史は、友好と対立の歴史でもあった。この関係を総合的に学習し、現在両国間で発展しつつある問題に関する理解を深めることで、特定の二国間関係が国際関係の影響を受けながら変化する様子を知る。
本授業は、二国関係の歴史的文脈を理解し、これを用いて日米関係の将来に対する提言ができる能力を身につけることを到達目標とする。
■授業計画:
第1回:授業計画の説明を行うと共に、日米関係の現在地を解説し、なぜ日米関係を学ぶ必要があるかを説明する。
第2回:ペリー来航から日露戦争に至るまでの間の、日米関係の確立期について解説する。
第3回:日露戦争から第一次世界大戦に至る、両国間の緊張関係が高まっていく過程を解説する。
第4回:戦間期の日米関係を俯瞰する。
第5回:日米関係が戦争に向かう過程で、何が問題であったのかを解説する。
第6回:第二次世界大戦後の日米関係の歴史を振り返る。
第7回:日米安全保障条約を、条文ごとに解説し、その政策的意味を提示する。
第8回:日米安全保障協力の指針(ガイドライン)の内容を解説する。
第9回:日米安全保障関係において、今日問題となっている諸問題を解説する。
第10回:日米経済関係の歴史を振り返る。特に1980年代以降の日米経済摩擦について、その経緯と、今日の日米関係に及ぼした影響を解説する
第11回:1990年以降の日米経済関係を解説する。日米経済摩擦の時代から、WTOの下での日米経済関係、そしてバイデンの国際経済政策と日本の対応について解説する。
第12回:バイデン政権下の日米関係について、最新の米国の日本専門家の論考などを参考にしながら解説する。
第13回:日米間の人的交流の歴史を振り返り、留学等の方法を解説する。
備考:※指定教科書の購入が必須となります。
< 受講生へのメッセージ >
大学生活において必ず身に付けなければならないのは、考える習慣です。現代社会で発生する出来事は、しばしば通常の想定を超えるものがあります。そのため、目前の現象や経験に左右されるのではなく、基礎的な見識と教養を身に付け、社会が必要とした時に適切な対応が取れるようになる必要があります。そのため、大学では、腰を据え、古典を読み、学生同士で議論を重ね、教養を磨いていって欲しいと思います。大学院生は、現場における見聞を深め、外における議論に積極的に参加し、自らの発信力を高める努力をして欲しいと思います。
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