< 講座概要 >
■授業形態:対面授業
■授業の目的及び到達目標:
現在多くの諸国で新しい人口問題に直面しています。まず少子高齢化が先進国だけではなく途上国にも広がりつつあります。また、グローバル化時代となり、国境を越えた国際人口移動が問題となっています。そこで本クラスでは、まず人口学の基礎である出生率と死亡率の現状と決定要因について理論的に学ぶことを目的とします。その上で、今日問題になりつつある少子高齢化と国際人口移動について理論的に理解すると同時に、政策的対応について、自分の意見が述べられるようになることを到達目標とします。
■授業計画:
第1回:人口学は学際的学問であり、政治、経済、社会の諸側面と密接に関係しています。現在の世界人口の分布と変動について解説します。
第2回:人口変動を理解するための基本的視点を学びます。また、近代化とともに生じた出生率、死亡率の変化を説明する人口転換理論について解説します。
第3回:死亡率の動向について学びます。発展とともに死因構造は感染症から生活習慣病へと変化しました。
第4回:途上国の衛生環境で効果的医療とは何か。プライマリーヘルスケアの考え方について学びます。なお、第2回から第4回の内容について中間試験(もしくはレポート試験)を行います。BBおよび授業を通じて中間試験の結果についてフィードバックを行います。
第5回:出生率の変化の動向について、また出生率の動向に影響する生物学的要因と社会的要因の関係について学びます。
第6回:日本の少子化の原因について、社会、経済、文化的観点から学びます。また、日本の少子化対策の問題点について検討します。
第7回:高齢化はなぜ問題なのか、日本の高齢化と社会保障政策を事例に学びます。
第8回:高齢者の介護のために日本で導入された政策である「地域福祉」と介護保険について紹介します。なお、第4回から第8回の内容について中間試験(もしくはレポート試験)を行います。BBおよび授業を通じて中間試験の結果についてフィードバックを行います。
第9回:まず国際人口移動について定義し、国際人口移動の動向がいつどのように変化したのか、その特徴を地域別に概説します。また、現在問題となっている難民問題についても説明します。
第10回:日本は移民の送出国だった時期があります。戦前からさかのぼり、新たな移民流入が始まる1980年代までの特徴について紹介します。
第11回:日本の「移民政策」は、少子高齢化に伴い「バックドア」から「サイドドア」へと大きく変貌しました。この時期の政策的変更を中心に検討します。
第12回:日本の「移民政策」は、いよいよ労働力不足を背景にした外国人労働者受け入れに舵を切りました。現在の状況と今後の方向性について展望します。
第13回:多文化社会化が進む日本経済と社会が直面する様々な課題について検討します。なお、第9回以降の内容について期末試験(レポート試験)を行います。BBを通じて試験の結果についてフィードバックを行います。
< 受講生へのメッセージ >
私の専門は社会学、なかでも人口学、都市社会学とアジア社会研究です。学部時代には人類学専攻だったため、社会学的計量分析と同時に、人類学的質的分析の重要性も理解しています。現在フィリピンの社会問題の研究と八王子の多文化共生問題に関し、研究のかたわら、実際の活動に参加しています。国内外におけるボランティア活動と海外留学、海外インターンシップを応援しています。
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