< 講座概要 >
2022年は、1972年に日本と中国の国交が正常化して50年の節目の年にあたります。中国経済は同じ1970年代の末に「改革・開放」路線にカジを切って以来、今日まで急速な発展を遂げ、2020年のGDP(国内総生産)は1978年比で約40倍の規模に拡大しています。日本と比較しても、中国のGDPは2010年に日本を追い越してからわずか10年余で日本の約3倍の大きさにまで成長してきています。中国のこの躍進を導いた経済体制は「社会主義市場経済」と呼ばれています。中国の経済成長の背景にはどのような要因が潜んでいるのでしょうか。そもそも計画経済が主体であったはずの社会主義における市場経済(中国型市場経済)とは、いかなる特色をもっているのでしょうか。政府、家計とならぶ経済主体の一つであり、生産・流通活動を担う企業について、中国にはどんな種類のものがあり、そこではどのような経営がなされているのでしょうか。本講座では、こうした問題について考えていきます。また、かつて同じ社会主義体制をとっていたソ連(ロシア)と中国との違いについても言及してみたいと思います。
講義レベルは一般市民の方向けですが、日本と異なった制度を持つ中国の経済や経営の話ですので、ある程度専門用語の使用は避けられません。とはいえ、できるだけ対話を取り入れながら、平易に説明していきたいと思います。
< 受講生へのメッセージ >
中国は、私たちが暮らす日本とは、経済の規模とその仕組みだけでなく国土の面積や人口の点でもかなり違います。この国について、正確に話そうとすると少し難しくなりますし、逆にわかり易さを狙って単純化し過ぎると誤った姿を伝えることになります。この困難を乗り越えていくのは知的好奇心です。国際関係(日中関係、米中関係etc.)の時事問題等に関心がある方歓迎です。
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