< 講座概要 >
[授業方法]
スライドを使った講義がメインで、それに加え以下のような方法で受講生の理解を深める。
・授業中にCGソフトやサンプルプログラムを各自が実行し、習ったことを実際にCG表示して確かめる。
・小テストを行い、授業時間内に正答率を確認し講師が解説を行う。
・課題として、通常の文章レポートのほか簡単なCGモデル作成などを行う。
プログラム言語としてProcessingを用いる。また、フリーのCGソフトであるPOV-Rayを利用した形状モデリングを行う。
授業にはノートPC持参のこと。
[準備学習]
授業の一部で数式を用いた解説を行う。数学の素養(ベクトル・行列・多項式方程式・三角関数等の数式の読解力)があることが望ましい。また、プログラムコードの一部を提示して解説する場合があるため、プログラミング経験があればその部分の理解度が高まる。
[履修上の注意]
本科目を修得することによって、授業範囲に関してはCG-ARTS協会のCGエンジニア検定エキスパート相当の力がつく。ただし、実際の検定受験にあたっては授業範囲外の分野の自己学習が必要である。
[成績評価方法・基準(科目履修生のみ)]
数回のレポートの課題の評価と期末試験結果を50:50の比率で総合成績に反映する。100点満点で60点以上を合格とする。授業中の小テストは、教員による理解度確認と出席確認が目的で、原則として成績には反映しない。ただし、提出回数が極端に少ない場合は成績判定に影響する。
[教科書]
コンピュータグラフィックス(CG-ARTS協会)
[参考書]
ビジュアル情報処理(CG-ARTS協会)(上記教科書とこの参考書のどちらか一方でよい)
[授業計画]
第1回:ガイダンス、CG技術の概要
第2回:ビューイングパイプライン(座標変換、投影、クリッピング)
第3回:モデリングの基礎(形状表現、曲線・曲面)
第4回:モデリングシステム(CADシステム、形状入力、ディジタルアーカイブ)
第5回:隠面消去(奥行ソート法、スキャンライン法、Zバッファ法)
第6回:シェーディング(照明モデル、反射モデル、BRDF、スムーズシェーディング)
第7回:影付け・マッピング(シャドウマップ、シャドウポリゴン、テクスチャ、バンプマップ、環境マップ)
第8回:レイトレーシング法(交差判定、反射・屈折、高速化)
第9回:フォントマッピング法(モンテカルロ法、k-dツリー、集光現象)
第10回:ボリュームレンダリング(等値面、レイキャスティング、散乱)
第11回:特殊なレンダリング(IBR、NPR)
第12回:キャラクタアニメーション(インバースキネマティクス、形状変形、モーションキャプチャ)
第13回:特殊効果・動きのシミュレーション(剛体、柔軟物体、流体)
第14回:CGシステムとリアルタイムレンダリング(GPU、グラフィックスパイプライン、シェーダ)
< 受講生へのメッセージ >
3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)の理論のうち、レンダリング技術を中心として、3次元モデルをリアルに表現する手法を学ぶ。網羅的な内容であるが、一部の項目に関してはプログラムの実装など詳細を説明する。
この科目を受講することによって、3DCG表現で使われる技法を深く理解することができる。流行に左右されない普遍的な技術を解説するので、受講者は長く役立つ知識を身につけることができる。
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