< 講座概要 >
【開講の目的】
本講開講の目的は、スペイン語学概論Tに引き続き、スペイン語を研究対象として捉え、分析と総合という科学的視点から言葉を研究する姿勢を持って様々な言語現象を解明することの面白さを体験し、学門的言語研究の端緒を開くことである。
第1回 Locciones y per?frasis
スペイン語の熟語や迂言法について実例を採取しながら言語学的に考察を加える。
第2回 Vida de las palabras
語形成の類型を概観・記述し、スペイン語と日本語、英語などの形態との対照を行う。
第3回 El l?xico espa?ol
スペイン語の語彙を概観し、様々な語種について他の言語と対照しつつその広がりについて考察する。
第4回 El l?xico heredado
ギリシア語やラテン語などの古典語から継承した語彙と、古典語の形態素による造語について考える。
第5回 El l?xico adquirido
アラビア語、オック語、フランス語、イタリア語、アメリカ大陸の土着原語、英語などを中心に借用語の原語と語源を探る。
第6回 El l?xico multiplicado
新しい語が生ずる過程のうち、古典語による合成、現代語による合成、接頭辞・接尾辞による派生による造語に焦点をあてる。
第7回 Los significados
語と意味との関係について考える。多義性と類犠牲など語の「原意」と「文意」や反意語、同義語、類義語、対語などについても考察する。
第8回 Los cambios de significado
意味の経時変化とその誘引、新語形成と意味変化の相互関与について考える。
第9回 Muerte de palabras
スペイン語の新語や古語、使われなくなった語と他の言語における語の盛衰の様子を探る。
第10回 Las lenguas espa?olas y la lengua com?n
スペイン語を例にとって世界共通語としての個別言語の可能性について考察する。
第11回 Niveles de la lengua y niveles del habla
共通語と方言、専門用語、俗語や隠語など言語の諸相を概観する。
第12回 La norma
言語用法の「正さ」とは何か、正書法や言い回し、様々な状況における文体などについて考える。
第13回 Las frases y las palabras
単音、音節、形態素、語、句、文など言語の様々な単位について相互の関係を考える。
第14回 El sujeto y el predicado
統語論入門として、文の構成要素としての「主部」と「述部」の構造について概略を学ぶ。
第15回 Las partes de la oraci?n y examen final
試験と解説、授業の振り返りをし、スペイン語学のまとめとする。
< 受講生へのメッセージ >
■授業の方法
スペイン語の呈する多様な言語現象焦点を当てその特質の解明を試みる。パラグラフごとの大意を確認する読み方、メモの取り方を実践的に訓練する。また類似点相似点に着目しつつ日本語や英語その他の言語と対照する。
教科書:教科書は使用しない。教材はプリントで配布する。
参考書:岡田辰雄『現代スペイン語講座』東京:芸林書房, 1996.
Seco, Manuel. Gram?tica esencial del espa?ol. Madrid: Espasa Calpe, 1995.
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