欧州統合の政治経済学
〜比較を通して考える、世界と日本の問題状況〜

講座番号: 09-15

< 講座概要 >
 28ヵ国が加盟する欧州連合(EU)は、注目される一方で、さまざまな問題に直面しています。まず、欧州統合の歩みを経済の側面を中心に解説します。欧州統一通貨(ユーロ)の流通開始は、米ドルに次ぐ巨大経済圏の出現を印象づけました。華々しい側面が強調される陰で、エリート中心の経済統合から取り残される民衆の不安や、官僚主導の意思決定の弊害にも目を向ける必要があります。それをふまえて、さまざまな問題に揺れる統合欧州の今後の展望を探っていきます。具体的には次のようなテーマを扱う予定です。 @平坦でなかったマーストリヒトへの道 A通貨統合の壮大な実験 Bユーロ危機とEUの未来 C共通政策の可能性 〜エネルギー・原子力問題を例に D移民・難民に揺れる欧州とブレグジット(英国のEU離脱)  この講座に引き続き、「開発途上地域の政治経済学」が開講されます。両者はそれぞれ独立の講座なので、いずれか一方のみ受講することも、両方とも受講することも可能です。
< 受講生へのメッセージ >
ユーロ危機の勃発以来、欧州への見方も変化しています。欧州統合の壮大な実験を、よい面も悪い面も含めてふり返り、再評価することが求められています。遠藤乾『欧州複合危機』(中公新書、2016)などが参考になります。比較研究には、外国の事例を通して自分たちのことをよりよく知るという動機があります。私たちを取り巻く問題状況を考える一助としていただければ幸いです。
分野政治
期間2020/09/14(月)〜2020/10/26(月)
曜日・時間月曜日 10:20〜11:50
回数5回
講座提供機関工学院大学
会場第2セミナー室
残席状況
お知らせ
備考託児利用可
その他資料      
講座詳細詳細
【講座スケジュール】
日程時間講義内容
2020/09/14(月) 10:20〜11:50
2020/09/28(月) 10:20〜11:50
2020/10/05(月) 10:20〜11:50
2020/10/19(月) 10:20〜11:50
2020/10/26(月) 10:20〜11:50

【講師紹介】
小野 一
教育推進機構 教授 専攻は現代ドイツ政治学。⼀橋⼤学社会学研究科博⼠後期課程中退(最終の学位は法学修⼠)。⼤学院在学中に5年間ドイツに留学しています。1998年以来、⼯学院⼤学に奉職し、政治学や国際関係論系列の講義を担当。環境問題などの新しい政策課題にも関⼼を持っています。 『ドイツにおける「⾚と緑」の実験』(御茶の⽔書房、2009年)、『緑の党』(講談社、2014年)、『脱原発社会を求める君たちへ』(幻冬舎、2018年)など。他に、共著や執筆参加もあり。
料金区分受講料
一般 4,000円
学生 2,000円