< 講座概要 >
あなたは死んだらどうなるのでしょうか。消えてなくなるのか、魂のようなものが残るのでしょうか? あるいは、他の生き物へと転生するのでしょうか? 現代人の感覚からすれば、死んだあとは意識がなくなり、灰となって「あなた」は消滅する、というのが自然な考え方だと思います。ですが、そうした考え方は、いつ、どこで、どのように生まれたのでしょうか?
この講座は、古代から現代までの西洋哲学を辿りながら、その裏のメインテーマが、上で述べられたような心身の問題であったことを、様々な切り口から見ていこうとするものです。
第1回では、古代原子論から近代の機械論、現代の唯物論の歴史をたどり、あなたが死んだら「消えてなくなる」という考え方のルーツを探ります。
第2回では、心身の関係という問題から、唯物論の問題点を掘り下げます。そして、唯物論に対抗する極端な立場として、観念論が台頭した経緯を見ていきます。そして、この観念論がどのようにして説得力を失ったのか、現代の物理主義の出現を確認していきます。
第3回では、「あなた」とは何であるのか、あなたが時間を通じて同じ人物であり続けるとはどういうことか、近未来で「あなた」の再生が可能になるのか、といった人格の同一性をめぐる問題圏を深く考えていきます。
< 受講生へのメッセージ >
あなたが死んだ後どうなるかは、誰にも分かりませんが、「死んだらきっとこうなるだろう」と私たちがいま考える背景、理屈は、十分に説明することができます。また、私たちがどのようにして、いまの考え方へと至ったのか、その歴史的経緯を詳らかにすることも、十分可能です。
そうした観点からの講座ですので、「あの世はこうなっている」という、宗教的な説を紹介したり、あの世の様子を語る講座ではないことに、注意してください。
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