< 講座概要 >
私たちの生きている時代とはどういう時代なのか、いま人間には何が求められているのか、そして何をめざすべきなのか。
科学技術の進展とともに人間は幸福になると思われてきました。しかし現代のさまざまな問題や現象を通して、そうした「近代的」な考えが誤りであることが明らかになってきたといえます。19世紀に生きたニーチェは、すでに近代文明に潜んでいる思想的な欠陥を鋭く指摘し、独自な生命哲学を展開しました。それは現代再び、私たち自身が応答すべき問題として、私たちの前に立ち現れているといってよいでしょう。
本講座では、歴史の中のニーチェ像をみるとともに、彼の主著である『ツァラトゥストラ』の要点を読み解いていくことで、上記の問題について一歩深くとらえていくことをめざしたいと思います。
〔授業計画〕
次の内容を8回に分けて学んでいきます。
1.日本とニーチェ
2.ニーチェの生涯
3.近代から現代へ-何が問題なのか
4.ツァラトゥストラの思想
< 受講生へのメッセージ >
前半はニーチェ、ツァラトゥストラについて外側から見ていきますが、後半はニーチェの中心思想について内側から迫っていくつもりです。主著の『ツァラトゥストラ』については、文庫にも各種のテキストがありますので、できれば冒頭の序説(前口上)など、読んでおかれることをお勧めします。
授業時にプリントを配布します。
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