< 講座概要 >
本講義では、東南アジア各国の政治体制、社会を理解した上で、産業、直接投資・貿易などの経済構造や経済政策、さらには各国が抱える課題について理解し、多様な東南アジア各国を、国別に比較し理解を深めていきます。また、東南アジアは、ASEAN経済共同体(AEC)を形成し、ゆるやかに経済統合を進めており、AECの内容などASEANの地域大での取り組みを理解します。東南アジアには様々な産業で日本企業が集積していますが、東南アジアにおける企業活動や投資環境についても随所で解説していきます。
第1回 イントロダクション、東南アジア概観
東南アジアの地理的特性(陸のアジア、海のアジア)や歴史、宗教・人種・民族、経済概観(人口、経済規模、所得水準等)など、東南アジアの全体像について概説します。
第2回 タイ
王室や軍、政党など政治構造の特徴を理解し、タイの戦後の経済発展、バンコクを中心とする産業集積、タイが直面する中所得国の罠や近年の経済政策について学びます。
第3回 インドネシア
東南アジアの大国であるインドネシアの国家形成の特徴、スハルト元大統領時代から現在の政治構造への変遷を理解し、自動車をはじめとする産業構造、経済政策を学びます。
第4回 マレーシア
マハテイール元首相時代からの、エレクトロニクスを中心とする輸出主導型の成長や近年のインフラ開発などの経済政策を理解するとともに、多様な民族構造を反映したブミプトラ政策などを学びます。
第5回 シンガポール
シンガポールの統治体制や、これまでの経済発展の特徴、先進的な産業・誘致政策、アジアのハブとなっている投資環境を理解した上で、現在、直面する課題を学びます。
第6回 フィリピン
フィリピンの歴史を概観した上で、海外からの送金に支えられる経済や財閥を中心とする経済構造とともに、近年、増大する直接投資を惹きつける投資環境について学びます。
第7回 ベトナム
ベトナムの歴史やドイモイ政策以降の経済改革を概観した上で、近年、チャイナ+1の企業戦略の中で、縫製品やエレクトロニクスなど成長する産業やTPP参加などの通商政策について学びます。
第8回 カンボジア
カンボジアの歴史、政治構造を理解し、経済面では縫製品の輸出に加え、近年ではタイ+1の企業戦略の中で、機械分野でも直接投資を惹きつけるカンボジアの投資環境と課題を学びます。
第9回 ミャンマー
テインセイン前大統領の出現以降、東南アジア最後のフロンテイアとして注目されるミャンマーの政治、経済構造、投資環境について学びます。
第10回 ラオス
ラオスの歴史、政治構造を概観した上で、内陸国ラオスの資源、電力を中心とする産業構造やタイ+1の企業戦略の中で関心の増す投資環境と課題について学びます。
第11回 ブルネイ
東南アジアの中では馴染みの薄いブルネイの政治構造と経済構造を学びます。
第12回 CLMと一般特恵関税(GSP)
CLM諸国の輸出において重要な役割を果たしている先進国の一般特恵関税に(GSP)について学びます。
第13回 ASEAN経済共同体の現状と展望
ASEANの形成過程を学ぶとともに、その中核となるASEAN経済共同体(AEC)について、物品貿易分野の自由化を中心に学びます。AECは、2025年までに幅広い分野での自由化を目指しており、AECの将来を展望します。
第14回 ASEANの域外との通商関係
ASEANは日本や中国、インドなど周辺国とFTAを締結(ASEAN+1FTAと呼ばれます)し、現在アジア16か国から成るRCEP交渉に参加しており、ASEANの域外との通商関係を学びます。
第15回 まとめ
これまでの授業を振り返ります。
< 受講生へのメッセージ >
重点国にはより多くの時間を配分しますので、各回の講義の時間配分には強弱がありますこと、ご理解ください。毎回、資料を配布し、それをもとに授業を進めます。
教員からの解説とともに、質疑応答や議論をできるだけ多く行います。
授業の中で学力をはかるための試験(小テストと期末テスト)を実施します。
|