< 講座概要 >
労働経済学という学問では、人と仕事の組み合わせの仕組みや、与えられた時間を人々がどのような労働にどれだけ費やすかということに焦点を向けます。市場に関する経済学の基礎的な概念を理解することは労働市場を分析する際にも有益ですが、そこで取引されるものは人間が供給する労働サービスであるため、通常の財・サービスを扱う場合とは若干異なる分析ツールを用いて議論を行う必要があります。この講義の到達目標は,企業、労働者を取り巻く現実の労働環境を把握しつつ、経済モデルがそれらをどのように説明し得るかを理解することです。授業では、講義の他に労働・雇用に関する現実の問題(生活保護、結婚観、新卒一括採用、外国人労働者の流入等)についてのディスカッションを行います。また授業内容について教員から質問をし、参加者に回答していただく形で毎回の授業を進めていきます。
なお、授業は以下の内容から構成されています。
第1部:統計データから見る日本の労働市場の現状
第2部:働き手による労働サービス提供に関する意思決定
第3部:採用側の雇用調整に関する意思決定
第4部:雇用政策が働き手・雇い手の行動に及ぼす効果
第5部:働き手は賃金以外に何を求めるか
経済学的な思考を用いつつ、自分の考えを論理的に述べることを意識して、学習に取り組みましょう。
< 受講生へのメッセージ >
授業では、雇用に関する現実の問題や諸制度を扱う一方で、経済理論(特にミクロ経済学)や初歩的な数学(指数の計算、方程式の解法)に関する知識も用います。それらの知識がないと授業内容を理解する上では厳しいかもしれませんが、授業内でも多少の解説は行いますし、必要であれば参考書を紹介します。この分野の問題に強い関心のある方の受講をお待ちしております。
科目等履修の出願期間は、8月6日(月)〜8月10日(金)となります。
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