<もめごと>はどう処理されるか
〜東南アジア、文化人類学のフィールドワークから〜

講座番号: 09-03

< 講座概要 >
 「社会あるところに紛争(もめごと)あり」と言われているように、私たちの日々の生活は大小さまざまな〈もめごと〉で満ちあふれています。私たちは、うらみ・つらみや妬みから自由になれず、直面する〈もめごと〉にどう対処したらよいか、と思い悩みます。これは人間の宿命のようなもので、どの社会の人びとも同じような悩みを抱えています。  この講座では、これまでに私が東南アジア(フィリピン、マレーシア、インドネシア)で試みた文化人類学的なフィールドワーク(現地調査)から得た生の資料をもとにして、調査地の人びとが〈もめごと〉をどのように処理しているのか、そしてそこにどのような知恵と文化的意味が見いだされるのかを探ってみます。授業は下記の順に行なう予定です。  @文化人類学の見方・考え方と東南アジアの概要の紹介。  Aフィリピンの諸民族の概要と、ミンドロ島の先住民の〈もめごと〉処理法。  Bマレーシア、サバ州(北ボルネオ)の村の慣習法と町の原住民裁判所。  Cインドネシア、ジャワ島の古都ジョグジャカルタ市の公設市場での〈もめごと〉回避とジャワ人の知恵。これまでの授業のまとめ。 事前に授業内容のレジメを配布し、必要に応じてパワーポイントによる映像資料をお見せしながら授業を進めます。受講生の皆さんの質問を大いに歓迎します。
< 受講生へのメッセージ >
 この講座のねらいは、東南アジア島嶼部の地域社会の人びとの間で実際に「生きている法」とその基礎をなす価値観・世界観を文化人類学の視点から明らかにすることにあります。欧米中心主義の歴史から見落とされてきた人びとに私たちの関心を向けることによって、これまでに自分が抱いてきた通念、常識をくつがえしてしまうような知的冒険に挑んでみましょう。
分野文化
期間2018/09/04(火)〜2018/09/25(火)
曜日・時間火曜日 15:20〜16:50
回数4回
講座提供機関中央大学
会場第2セミナー室
残席状況
お知らせ
備考託児利用可
その他資料      
講座詳細詳細
【講座スケジュール】
日程時間講義内容
2018/09/04(火) 15:20〜16:50
2018/09/11(火) 15:20〜16:50
2018/09/18(火) 15:20〜16:50
2018/09/25(火) 15:20〜16:50

【講師紹介】
宮本 勝
総合政策学部 名誉教授 上智大学外国学部卒業(1968年)、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程中退(1976年)、文学博士(1986年)。国立民族学博物館助教授を経て、中央大学総合政策学部教授(1993〜2015年3月)。専攻は社会人類学、法人類学、東南アジア研究。 主な著書は、『ハヌノオ・マンヤン族―フィリピン山地民の社会・宗教・法』(第一書房)、『文化人類学講義―文化と政策を考える―』(共編著、八千代出版)、『〈もめごと〉を処理する』(編著、雄山閣)など。
料金区分受講料
一般 3,500円
学割 1,700円