連絡先
上智大学 学事局 Sophia Future Design Platform推進室 (プロフェッショナル・スタディーズ事務局) 〒102-8554 東京都千代田区紀尾井町7-1 四谷キャンパス1号館1階 TEL:03(3238)3552 FAX:03(3238)4310 現在、お電話のお問い合わせは受け付けておりません。下記メールアドレス宛にご連絡ください。 web_kookai-co(アットマーク)sophia.ac.jp

2146 2146 企業の社会的責任とCSR

曜日・時間 指定木曜日 18:45〜20:15
開催日 10/5から
回数 12回
講師 小林 順治
テキスト なし
備考 定員40名 受講申込受付10月26日(木)まで 受講中の方のキャンセル受付10月26日(木)まで ※本講座は講座変更できません。
スケジュール スケジュールはこちら
受講料(税込)申し込み
32,400円 受付期間外です。
2146 2146 企業の社会的責任とCSR
【講師】 小林 順治 上智大学名誉教授 専攻分野/ 経営組織論 Eメール/ junji-k@sophia.ac.jp  近来の日本では、明治時代以降、海外の文化・文明の流入に伴って用いられてきたカタカナ表記に加えて、アルファベット表記の略称が急速に増えてきたように思います。CSRもそうしたもののひとつです。CSRは、Corporate Social Responsibility の略称ですが、日本では、CSRが流行する前に、Corporate Social Responsibility の翻訳語としては「企業の社会的責任」が用いられていました。 この「企業の社会的責任」は、一般用語として日本社会に定着すると同時に、社会科学の分野で専門用語として用いられてきました。したがって、Corporate Social Responsibility と「企業の社会的責任」と CSR は、同一の概念内容を表すはずのものです。  しかし、現在の日本で CSR という用語を用いて論じられている内容は、「企業の社会的責任」(Corporate Social Responsibility) の本質からは完全に逸脱していると言わざるをえません。Corporate Social Responsibility は、アメリカ合衆国における資本主義経済の急速な発展という歴史的背景の中で発生してきた深刻な「企業と社会」問題の解決策として論じられてきたものです。にもかかわらず、とくにCSRが日本社会で流行語となってからは、その内容が矮小化され、CSR が Corporate Social Responsibility の略称であるにもかかわらず、両者はまったくの別物になってしまっています。  「企業の社会的責任」(Corporate Social Responsibility) が「自由の国」アメリカにおいて最初に論じられたのは、単なる偶然ではありません。アメリカ企業は、産業化以降、急速に大規模化し、巨大なものとなりました。その結果、製造業をはじめとする巨大な法人企業が誕生し、社会との間にさまざまな軋轢を生み出しました。この「企業と社会」問題を、自由を国是とするアメリカ合衆国において、自由企業体制を堅持しつつ解決を図ることは可能か。その解答を与えようとしているのが、「企業の社会的責任」論です。  現在の資本主義は行き詰っており、限界に直面しているという見方があります。その最大の原因は、巨大法人企業のあり方にあるのではないか、という問題提起があります。  この講座では、現代の資本主義社会における自由企業のあり方を考えるために、「企業の社会的責任」をCSRとの対比で取り上げます。