講師 小林 順治 上智大学経済学部教授
専攻分野 / 経営組織論
eメール / junji-k@sophia.ac.jp
現代社会に必須の存在となっている企業、とくに大規模な株式会社は、私たちの現在の生活水準を実現し、維持していく上で大きな貢献をしています。しかし、それと同時に、社会のさまざまな部分との間に深刻な問題を生じさせている存在でもあります。この講座では、そうした問題を、現代企業と現代社会との不調和が生み出している「企業と社会」問題と呼んでいます。この問題は、現代社会に生きる私たちの誰にとっても他人事ではなく、すべての人々がより良い解決に向けて、真剣に考えるべき問題です。これを言い換えるならば、あるべき現代企業のあり方とあるべき現代社会のあり方について考える、という問題です。そのためには、この問題の発生メカニズムの科学的解明が必要です。「企業と社会」問題は、アメリカに登場し、発展してきた社会科学の研究テーマです。この講座は、この分野で蓄積されてきたこれまでの研究成果の科学的知見を活用ながら、皆さんと一緒に「企業と社会」のあり方について考えてみようとするものです。なお、この講座は、「企業と社会」をテーマにシリーズ化している講座です。2014年春期の前回講座では、夢と魔法の王国ディズニーランドの建設、開園の背景にあった、深刻な「企業と社会」問題を、身近な事例として取り上げました。今期は、歴史的視点も踏まえて、日本とアメリカの「企業と社会」の具体的問題の事例を取り上げ、日米比較を行います。それを通じて、「企業と社会」問題の発生メカニズムを探っていきます。今期から新規に受講される方にも十分理解できる内容になっていますので、どうぞご参加ください。