【2025年度秋学期】
中東諸国にはいわゆるマイノリティー集団が存在するが、それは宗教的であったり、民族的であったり、また政治的であったり、非政治的であったり、さらに政権を担っていたり、少数派としての地位を強いられていたり、といった具合に多様です。今日の世界情勢をみると、異なる集団が互いに共存よりも排除していく方向性、特定の集団がますます内向きに自己主張を強めていく志向性が感じられます。このような現象をどのように捉えたらよいのか。本講座では、中東におけるマイノリティー問題を手がかりに、紛争や混乱といった面だけでなく、その中にある共存や多様性の可能性といった側面にも目をむけつつ、マイノリティーが関わる政治と社会の諸問題を考えてみようと思います。対象とする国とマイノリティー集団は、アルジェリアのベルベル人、トルコのクルド人、アフガニスタンのパシュトゥーン人、エジプトのコプト、スーダンの非アラブ系民族、レバノンのキリスト教徒、シリアのアラウィー派、イスラエルのアラブ人です。なお、毎回、事前課題資料と課題が送付されます。また講義で行われる討論では受講生は積極的な発言を求められます。
<開講のねらい>
本講座では、「中東問題」の背後にある多民族、多宗教の共存や対立の実態をマイノリティー問題から考えることと、今日の国際情勢の中で目立つ、共存よりも排除、特定の集団が内向きに自己主張を強めていく志向性の問題点を検討することを目的とします。
<関連キーワード>
「毎回事前学習あり」、「毎回ディスカッションあり」、「マイノリティー」、「地域紛争」、「共存」、「多様性」、「寛容」、「排除」、「分裂」、「中東問題」、「植民地支配」、「周縁化(マージナル化)」
<ディスカッションの頻度・割合等>
ディスカッション頻度 :毎回
ディスカッション割合 :三分の一(30分)程度
個人発表 :なし
チーム発表 :なし
ロールプレイング :なし
テーマに関する事前知識や部署経験の有無 :なくてもよい
予定講師陣
■私市 正年(上智大学名誉教授) 第1回担当予定
■山口 昭彦(上智大学総合グローバル学部教授)第2回担当予定
■登利谷 正人(東京外国語大学・世界言語社会教育センター専任講師)第3回担当予定
■三代川 寛子(東京外国語大学准教授)第4回担当予定
■栗田 禎子(千葉大学文学部教授) 第5回担当予定
■溝渕 正季(広島大学・人間社会科学研究科准教授)第6回担当予定
■高岡 豊(東京外国語大学特別研究員)第7回担当予定
■臼杵 陽(日本女子大学教授) 第8回担当予定
*参考資料 別紙参照※上記「シラバスはこちら」をクリック(PDFファイルが開きます)