【2025年度春学期】
哲学は古くからある学問分野ですが、大学の研究室や教室に閉じ込めておくのはおかしなことです。というのも、哲学とはもともと学問分野ではなく、「知を愛し求めること=philosophia」であり、人間と人間を取り巻く世界に知的な好奇心を持つ人なら、誰でも取り組むことのできる知的活動だからです。18世紀の大哲学者イマヌエル・カントが「世界概念」の哲学を「学校概念」の哲学から区別し、前者が本来の哲学だと論じたことが、それをよく表しています。
哲学的思考の対象となる問いは、私たちの生活・人生=lifeのそこかしこに潜んでいます。そうした問いをめぐって、古今の哲学者の著作を読み、他の参加者と対話しながら、共に考えてみませんか。それは楽しいだけでなく、生きる中で出会う様々な問題を考えるのに役立つ、深く豊かな思考を育むことにもなります。
今期の問いは「善悪」です。アリストテレス、カント、J.S. ミルなどの著作の一節を読み、参加者同士で対話をしながら、考えます。
<開講のねらい>
哲学的な問いを自分で考え、古今の哲学者を含む他の人々と対話しながら考えることによって、職業生活、社会生活、家庭生活に役立つ自律的思考、共同的思考、批判的思考、創造的思考を養う。
<関連キーワード>
「哲学的対話」、「対話中心の進行」、「哲学の古典の精読」、「哲学の理論や歴史の知識は不要」、「究極のアクティヴ・ラーニング」、「創造的思考・批判的思考・自律的思考・共同的思考」
<ディスカッションの頻度・割合等>
ディスカッション 頻度 :毎回
ディスカッション 割合 :半分(45分)
個人発表 :なし
チーム発表 :なし
ロールプレイング :なし
テーマに関する事前知識や部署経験の有無 :なくてもよい
予定講師陣
■寺田 俊郎(上智大学文学部教授)全6回担当予定