【講師】
小林 順治 上智大学名誉教授
専攻分野/ 経営組織論
Eメール/ junji-k@sophia.ac.jp
経営学のルーツは、20世紀初頭のアメリカとフランスに求めることができます。この後発の社会科学は、近代化の波の中で登場してきた、それまでは存在しなかった大規模な企業で行われる人間の経営活動を解明する必要性から生まれたものです。
日本でも、明治維新以降、近代企業が登場し、科学としての経営学を学び、それを経営の実践に応用することが必要となりました。しかし、明治時代から根づいていた商学教育との混同があったため、本格的な経営学教育が行われるようになったのは、戦後のことです。
日本の経営学教育は、当初は経済学の一分野に位置づけられていたドイツ経営経済学から、より経営の実践への応用に重点をおいたアメリカ経営学へと変遷してきました。
現代の企業は、近代の企業と比較して格段に大規模なものとなり、その経営は複雑になっています。そのため、経営現象を科学的に解明し、その成果を教育する必要性はますます高まっています。
現在では、確かに、大学の学部や大学院において経営学教育が行われています。しかし、そこで学んだ成果が、経営の実践に応用され、活用されているとは言いがたい現状があります。
この講座では、経営学の歴史を踏まえ、経営学の基礎の基礎を学んでいきます。そして、経営学と現在の経営の実践との間に存在する乖離の原因を明らかにし、本当の経営学を経営の実践に応用することについて考えます。