【講師】
田中 治彦 上智大学総合人間科学部教育学科教授
専攻分野/ 生涯教育、開発教育、ESD
ホームページ/ http://pweb.cc.sophia.ac.jp/htanaka/
Eメール/ htanaka@sophia.ac.jp
2016年から30年までの国連の開発目標であるSDGs(持続可能な開発目標)の標語は「誰ひとり取り残さない」です。これは世界中の貧困や社会的に排除されているひとびとに居場所がある世界づくりを、というように読み替えることができます。居場所論は日本では、不登校問題などを通して子ども・若者に居場所がある学校づくりを、という意味で始まりました。その後、経済や情報のグローバリゼーションが急速に深まりをみせるなかで、家族・地域・会社・国といった従来、人々に安心と安全を保障してきた集団や組織によるセイフティネットが縮小し、人々を孤立化させてきました。それに伴い、居場所論も子ども・若者から女性・障がい者・高齢者などすべての人々の課題となり、また、日本だけではなく世界的なテーマとなりつつあります。この講座では、世界的な視野で「居場所論」を考えるとともに、「居場所づくり」のための国の内外のさまざまな試みを紹介します。