【2022年度秋学期】
身体をテーマ化することの現代的意義について、現代社会論の文脈で議論することから本講座はスタートします。現代社会やマスメディアを席巻する身体をめぐる様々な社会現象がどのような問題性を孕み、その結果どのような身体観を人々にもたらすのかを探ることでその特性を捉えます。社会的に築かれた現代的身体観こそが、その延長としての世界構築の枠組となり、それが科学技術優先主義や経済合理性によって牽引されて今日に至るのです。この文明化の過程では機械的合理性がもてはやされ、一方でないがしろにされてきたのは「身体知」「身体性」や「内なる身体(ソーマ)」への配慮です。多様な職業的背景をもった講師陣は、それぞれ固有の身体性やソマティックなワークを実践しています。参加者全員が体験する参加型の講座を通して、身体知の存在を肌で感じ、理解し、その感覚経験がより良き世界の構築にどのように活かせるのかを学ぶことになります。混迷する時代であることが、かえって本講座の存在意義となるのです。
<関連キーワード>
「身体知」「ソマティクス理論と実践」「ケアの身体」「東洋的(山伏)身体技法」「ソマティック禅」「Biodanza(ビオダンサ/生命のダンス)」「ご自身のからだをご持参下さい(テキストはあなた自身のからだの意)」
予定講師陣
■村川 治彦(関西大学教授) 第3回担当予定
■吉田 美和子(上智大学教授) 第4回担当予定
■長谷川 智(山伏、上智大学非常勤講師) 第5回担当予定
■内田 佳子(国際ビオダンサ連盟公認ファシリテーター) 第6回担当予定
■藤田 一照(曹洞宗僧侶) 第2回担当予定
■鈴木 守 (上智大学基盤教育センター教授) 第1回担当予定
*参考文献
「知としての身体」を考える―上智式教育イノベーション・モデル― 鈴木守編・著 学研マーケティング 2014年 1,500円+税 [ISBN:978-4-05-405970-2]