【2022年度春学期】
科学技術が急速に進歩する現代社会をけん引するためには、さまざまな知見を統合し、新しい技術を築いていくことが不可欠です。さらに、新しい技術を取り入れ、生産の場を高度化していくためには、将来を見据え、多様なニーズに適切に対応しなくてはなりません。そのためにも、分野の垣根を超えた洞察力を育むことが不可欠です。
それにも関わらず現代の日本社会では、文系と理系の間の強固な壁や各分野間にある垣根が社会全体を硬直化させ、多様性が生む利益の実現を阻んでいます。このような現状を打破するためには、理科系と文科系の間の壁を打破し、新しいものの考え方を形成しなくてはなりません。
本講義では、こうした視点にたって、文理が融合した社会を支えるエコシステムのあり方を検討し、実際に、文理の壁を乗り越えた社会で何が実現するかという問題を考えます。とくに、社会科学と生命科学の融合の可能性、データ・サイエンスの社会科学的意義、脱炭素社会形成に向けた新しい産業政策のあり方といった、具体的問題に基づいて、将来社会を切り開くうえで不可欠なソシオ・エコシステムのデザインを考えます。
<関連キーワード>
「文理融合」、「社会科学」、「自然科学」、「生命科学」、「データサイエンス」、「環境学」、「ディスカッションへの参加と事前準備」、「事前知識は必要としない」
予定講師陣
■矢野 誠(上智大学特任教授、京都大学特任教授、経済産業研究所理事長) 全6回担当予定
*参考文献
なぜ科学が豊かさにつながらないのか,慶應出版会, 476642185X,3520円
ネクストブロックチェーン,日経出版, 2508円
Socio-Life Science, Springer, 9811657262,オンライン版無料