【2021年度秋学期】
本講座では、現代社会の「歴史と文明」にかかわる重要な課題を、中東という地域の視点から考えていきます。まず、中東社会の歴史と文明の形成過程とその特徴を考察します。続いて、中東を中心に形成されたイスラーム国家の理念と実態の諸問題を、伝統的国家と近現代国家とを比較しながら検討します。次に、様々な宗教の共存(あるいは対立する場合も含めて)という課題の理念と実態を、中東の事例を通じて考えます。さらに、未解決の世界史的課題であるパレスチナ問題・ユダヤ人問題をとりあげます。続いて、紛争という普遍的な課題を、中東を事例にしてその背後にある諸問題とともに分析します。最後に、「文明の衝突」というグローバルな文明史的課題を中東という地域の視点から検討します。各回の講義では、受講生から提出された質問や問題点について講師と受講生で質疑や討論を行なう時間もとります。
予定講師陣
■堀井 聡江(桜美林大学教授)
■三代川 寛子(東京外国語大学講師)
■臼杵 陽(日本女子大学教授)
■高岡 豊(中東調査会 協力研究員)
■栗田 禎子(千葉大学教授)
■私市 正年(上智大学名誉教授)
*参考文献
『文明の衝突』
サミュエル・ハンチントン (著), 鈴木 主税 (翻訳)
ISBN: 978-4087732924 書店価格:3080円