【2021年秋学期】
20世紀末からの急激なグローバライゼーションは、一世代前の政治や軍事、経済の常識を大きく変えました。その一方で、新型コロナのパンデミックによって、移動制限やワクチン・ナショナリズムのようなローカリズムが急速に台頭しています。世界は今、何を規範とし、何を目ざそうとしているのでしょうか。
われわれ個人も、企業や共同体も、対症療法的なリスクヘッジにとどまらず、移り変わる表象文化の根底にある思想をしっかりと見据えておかなければなりません。この講座ではグローバライゼーションやローカライゼーションの根底を哲学的に検討します。いくつかの具体的な各論では、識者を招いて、質疑応答を交えつつ一緒に考えていきたいと思います。
いずれの問題においても、変化する現実の根本にある人間観、世界観を見直すことによって、表層の地滑り的な変動に飲み込まれないための基本的視座と、先見の明を確保することを目ざします。毎回、日本語による60分程度の講義と30分程度の質疑・討議を予定しています。オンライン講義を取り入れる可能性もありますが、できるだけ対面授業として、直接にお目にかかりたいと考えています。
予定講師陣
■大橋容一郎(上智大学文学部哲学科教授、放送大学客員教授)
■加藤泰史(前日本哲学会会長、一橋大名誉教授、椙山女学園大学教授)*第3回登壇・オンライン講義予定 →第4回登壇(オンライン)へ変更となりました。
■寺田俊郎(上智大学文学部教授)