【2021年度秋学期】
上智大学は、キリスト教の価値観に基づく人間教育としての人間学を重要な科目と位置づけ、「他者のために、他者とともに」を教育の理念として掲げています。
教皇フランシスコが2015年に発表した環境問題についての回勅『ラウダート・シ ともに暮らす家を大切に』は、キリスト教の信徒に限らず世界中の多くの人々に読まれています。この中で教皇は「人間性の刷新なしに、自然とのかかわりを刷新することは不可能です。適切な人間論なしのエコロジーなどありえません」(LS118)と語り、環境問題は社会問題であるだけでなく、根源的に人間を問うことを要請する問題なのだと伝えています。
本講座では、イエズス会士や環境政策、環境教育に携わる講師などによって、「環境」というテーマに多角的、学際的にアプローチし、自然・人間・社会のあり方、かかわり方を考察します。気候変動、プラゴミ問題、熱帯雨林破壊、食糧廃棄など環境問題が深刻化し、ライフスタイルや既存の価値観の転換を迫られる中、他者に寄り添いつつ主体的に生きる叡智のありかを探求する学びの場となることを願っています。
予定講師陣
■ホアン・アイダル(上智大学教授、イエズス会司祭・哲学)
■井上 直己(環境省 地球環境局 国際地球温暖化対策参事官室)
■小澤 紀美子(東京学芸大学名誉教授・東海大学大学院客員教授・元環境教育学会会長
・こども環境学会理事・環境教育論)
■瀬本 正之(上智大学教授・イエズス会司祭・環境倫理学・哲学)
■三好 直子(独立行政法人 国際協力機構(JICA)青年海外協力隊事務局・環境教育分野技術顧問
/日本シェアリングネイチャー協会専務理事)
■吉川 まみ(上智大学准教授、環境学・環境教育論)