今日、世界のムスリム(イスラーム教徒)人口は15億人ともいわれ、イスラーム協力機構(OIC)の加盟国は57か国にのぼります。日本にも東南アジア出身者を中心に20万人以上のムスリムが生活しています。学校や職場であるいは街中でムスリム対策が講じられるようになりました。世界に目を向ければ、ムスリムはイスラーム誕生の地、中東だけでなく、東南アジアやアフリカでは多数派を占める国は多く、欧米でもムスリム人口が数百万人にのぼる国が少なくありません。イスラーム諸国は石油資源に恵まれ、世界経済の主軸を形成しながらも、他方で欧米の価値観としばしば衝突したり、急進派によるテロや紛争の震源地となったりしています。しかし、そうしたイスラーム諸国の世界に占める地位はますます高まっていますし、日本にとってイスラーム諸国との関係がきわめて重要であることはいうまでもありません。イスラーム諸国は、政治的、経済的にイスラームに規定された一定の共通性を有しつつも、政治原理と経済原理には多様性がみられます。本講座では、イスラーム諸国の政治原理と経済原理の共通性とは何か、いかなる差異が認められるかを分析しつつ、政治原理と経済原理を類型化することによって、イスラーム諸国との政治的、経済的関係を結ぶ際に必要な基本原理を理解できるようにしたい。
各回の講義では、受講生から提出された質問や問題点について講師と受講生で質疑や討論を行なう時間もとります。
予定講師陣
■横田貴之(明治大学准教授)
■長岡慎介(京都大学大学院教授)
■桜井啓子(早稲田大学教授)
■見市建(早稲田大学教授)
■辻上奈美江(上智大学教授)
■澤江史子(上智大学教授)
■私市正年(上智大学名誉教授)
*参考文献
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