近年企業の価値に対する考えが変化しています。企業の価値を評価するのに年次決算だけではなく、半期決算を、さらには四半期決算をと短期志向主義の流れに対する弊害が指摘されてきました。「企業は山積する環境や社会問題にどう向き合っていけばいいのだろうか?」「企業は自然環境や社会と中長期的にどう共存していけばいいのだろうか?」「果たして我が社は20年後存続しているのだろうか?」「20年後も我が社が価値を創造し続け、成長して行くにはどうすればいいのだろうか?」
企業価値の評価において、中長期的な視点の採用と企業の事業計画案におけるESG(環境-Environment、社会-Social、ガバナンス-Governance)など非財務要因が企業価値の評価だけではなく、投資の意思決定を行う際の重要課題として認識されています。この講座の主題であるコーポレート・サステナビリティを重視する企業では、環境・社会面の考慮と経済的リターンを相反するものではなく、両立させるものだととらえています。
また企業の価値創造において投資家と企業がESGをどう捉えているか、その有用性と有効性は、非財務要因がいかに財務的パフォーマンスに影響を与えているかなどESGに関する関心が高まっています。EUは2014年その指令により非財務情報の開示を義務化しました。日米欧と地域差はあるものの、ESGに対する関心は急激に強まっており、非財務情報をインテグレートした 統合報告書は投資家とのコミュニケーションに有効な手段と考えられています。英国バーミング大学から専門家を講師として招聘し、海外及び日本の実例も取り上げ、企業の実務担当者及び幹部および候補者とCSR/ESG責任者を対象とし、この講座を通し、自社のESG評価・分析能力を向上させることにより、コーポレート・サステナビリティ(持続可能な企業経営)やResponsible Buisiness and Finance(責任あるビジネスと財務)に関する戦略的思考と実務能力が習得できるように進めます。
予定講師陣
■クリストフ・ビエル(バーミンガム大学講師)
■林寿和(日本総合研究所)TBC
■浦元 義照(上智大学特任教授)