本講座では、現代の中東・イスラーム諸国でおこっている政治と宗教に関する問題を、歴史的背景を重視しながら考えていきます。まず、預言者ムハンマドが建設した国家を、イスラーム国家の原型として分析します。続いて、イスラーム法と国家・社会との関係について、伝統的国家と近現代国家を比較しながら検討します。さらに近現代にいたって、イスラーム政治運動が台頭し、一部は過激な運動に発展していった背景と原因を考察します。イスラームと西欧的民主主義との関係についても検討します。その後、現代中東の重要課題であるイスラーム以外の宗教マイノリティ問題とパレスティナ問題・ユダヤ人問題をとりあげます。最後に「アラブの春」後の激変した中東の政治情勢の現状を、四つの大国(エジプト・サウディアラビア・イラン・トルコ)を軸にして考察します。各回の講義では、受講生から提出された質問や問題点について講師と受講生で質疑や討論を行なう時間もとります。
予定講師陣
■堀井 聡江(桜美林大学教授)
■三代川 寛子(東京外国語大学特任講師)
■臼杵 陽(日本女子大学教授)
■高岡 豊(中東調査会 協力研究員)
■私市 正年(上智大学名誉教授)
*参考文献
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