【講師】
小林順治 上智大学名誉教授
メールアドレス/ junji-k[at]sophia.ac.jp
「組織論」が対象とする協働という社会現象は、人類の発祥とともに古いと言うことができます。古代や中世においても、協働についての考察は行われてきました。しかし、現在の社会学における「組織社会学」や経営学における「経営組織論」などの「組織論」が対象としているのは、近代以降の、とくに現代の大規模な協働としての組織です。、現代社会では、「組織論」が重要性を増し、「組織論」を専門として学ぶ人々がいると同時に、すべての現代人が「組織論」を教養として学ぶことが求められるようになってきました。その理由は、現代が、あらゆる人々が組織と何らかの関係をもち、組織にその生き方や人生までをも左右されるほどの大きな影響を受けており、同時に社会全体の状態が組織のあり方に大きく依存する時代になっているからです。現代は、すべての人が組織理解を必要とする時代です。
近代化によって、人類とともに古い組織は革命的な変貌を遂げました。現代の組織社会に生きる私たちにとって馴染み深い組織はその発展です。今期の講座では、社会の近代化が組織にどのような変化をもたらしたのか、を明らかにしていきます。