【コーディネーター・講師】
岩田 太 上智大学法学部国際関係法教授
専攻は英米法,医療と法.厚生労働省・人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会,消防庁・傷病者の意思に沿った救急現場での心肺蘇生の実施に関する検討部会,などで委員を務める。
【講師】
木澤 義之
神戸大学医学部附属病院・特命教授.専門は緩和医療学、緩和医療教育、アドバンス・ケア・プランニング。厚生労働省・人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会委員。
外岡 潤
介護・福祉系 法律事務所「おかげさま」代表弁護士.「和」を重視し、紛争の予防を活動。
永野 仁美
専攻は、社会保障法。特に、フランスにおける障害者関連政策の研究.著書に『障害者の雇用と所得保障』(2013)。
日本では65歳人口の割合が28%を超え,すでに3500万人近い高齢者を抱える「超高齢社会」となっています.同じ高齢者でも健康状態,家族との関係,人生観など様々で,どのような人生の締めくくりを迎えたいかは千差万別です.そのために自分の思いや人生で大切にすることを事前に近しい人々に十分伝えた上で,それを医療や介護のあり方に反映するというアドバンス・ケア・プランニング(ACP)という事前の備えが重要であるといわれています.また介護受給,老人施設への入居,退職後の年金受給など様々な手続きが存在し,制度の十分な理解も重要です.
そこで,本講座は「人生のエンディングに備えるための医療・介護と法」講座と題し,高齢者が抱えうる医療・介護と法の基本的な制度枠組みと問題点について,わかりやすく学びたいと思います.医事法・社会保障法を専門とする学内講師に加え,学外から法律と終末期医療の専門家を迎え、制度や法の枠組みについての理解を中心としつつ、可能な範囲で実際の場面での問題点なども学び機会を提供したいと思います。講義の学びを通じて個々人の人生の最終段階への備えの一助となればと考えています。
受講対象としては、自分ないし親の人生の最終段階について検討したいと考える人々(高齢者世代(60代以降)、介護世代(40-50歳代)を中心に考えていますが,より若い世代も対象となります。